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劇団史

第十回『富美男、前橋へ』

2013.06.24 公開

中学では野球部に入り、レギュラーとして大活躍。役者ではなく野球選手になりたいと真剣に思うようになっていた。

武生の申し立てにより、富美男はその頃、一座の本拠地のあった群馬の前橋へ姉達とともに移り住む。
武生の人気は上がる一方で、仕送りもふんだんにして貰えた。富美男は欲しかった野球の道具を一式買ってもらい毎日野球ばかりして過ごした。
中学では野球部に入り、レギュラーとして大活躍。役者ではなく野球選手になりたいと真剣に思うようになっていた。

そんな中学二年のある日、高崎市内のレストランでカレーライスを食べていると、隣の席に何だか美味そうな料理が運ばれてきた。
「でっかい肉団子だなぁ、食べてみたいなぁ。」
と、思った。
それがハンバーグステーキということを後に雑誌の写真を見て知った。
福島での貧乏生活のこともあり、富美男は人一倍食べ物に対して執着が強い。
いずれ、あのハンバーグステーキを食べてやろうと思った。その望みが叶うのはそれから一年後のことであった。

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