大衆演劇
大衆演劇を楽しむために
大衆演劇を楽しむために
大衆演劇を楽しむために
大衆演劇の世界には、専門用語が存在します。
実はその用語が、見どころ・魅力だったりすることもあり、事前に知っておくと、よりディープに舞台を楽しめたりします。
“これだけは知っておきたい”10の用語をピックアップしましたので、大衆演劇ビギナーの皆さまは、観劇の前にぜひチェックしてみてください。
【アドリブ】
予定外のセリフや小芝居。共演者の大セリフ忘れなど不測の事態のフォローとして行われるだけでなく、観客との一体感を重視する大衆演劇では、お客さんへ参加を促すのは日常茶飯事。
また、喜劇で観客のノリは良いときなどに、その場の空気を感じ取ってアドリブを入れることも多い。
【送り出し】
公演終了後に座員総出で観客のお見送りをすることで、大衆演劇の魅力の一つ。
この時に、握手をしたり、写真を撮ったり、会話をすることができる。他にも並んでいる観客がいるので、長く役者を独占するのは禁物である。
【お花】
観客がお気に入りの役者に渡す金品等のプレゼント。公演の最中にも渡されるのが大衆演劇ならではの特長(ただし、芝居中など流れを止めてしまう場面はNG)。お札をフラワーレイ状につないで首からかけたり、団扇状に貼り付けて襟元にはさんだり、かなりバブリーな光景が見られることもある。
【女形(おんながた・おやま)】
男性が女性に扮することで、大衆演劇の人気要素の一つ。女形を見るために大衆演劇に通うファンも少なくない。素ではゴツい男性が、同一人物とは到底思えないほどの美しさを醸し出すことも多く、座長・花形クラスになると演じる実力も高い。
化粧や衣裳だけでなく、立ち居振る舞いや後ろ姿の美しさも必見。
【化粧】
目許と鼻筋を強調する舞台化粧は、大衆演劇の大きな特長の一つ。
化粧はとにかく早く、地塗りから、目、眉、鼻、唇などを仕上げ、かつらを付けるまでが約7分。その気なら、3分でも可能だという。
【口上(こうじょう)】
幕間に行われる来場感謝の挨拶。主に座長や花形クラスが担当し、観客席から話しかけたり出来るのも、大衆演劇の楽しみの一つ。
【早替わり】
きわめて早く衣裳を着替える演出。袖に引っ込んだと思ったらたちまち新たな着物で登場したり、舞台上で一瞬のうちに別の衣裳に替わるなど。
【はんちょう(半畳)】
舞台に登場したときや見栄を切ったとき、決め台詞が出たときなどに「座長!」、「○○ちゃん!」とタイミングよく声をかける上級者の技。芝居の流れをジャマしない、出演者に恥をかかせないタイミングで上手にやるのがポイント。
【ペンライト】
歌謡ショーの際に観客が振る色とりどりの応援用ライト。公演会場で販売しているケースが多い。自分で振って楽しむもよし、他の観客が振っているのを見て楽しむもよし。
【ラストショー】
公演の最後に行われる役者総出演のショー。紙吹雪が舞うような大掛かりな演出が用意されることも多く、迫力とスケールのあるショーは、観客も盛り上がること必至。
梅沢富美男
1950年11月9日生まれ。福島県福島市出身。「梅沢富美男劇団」座長。大衆演劇隆盛期に活躍した花形役者の父・梅沢清と娘歌舞伎出身の母・竹沢龍千代の5男(8人兄弟の5男)として誕生。1歳7ヶ月で初舞台を踏み、15歳から兄・武生が座長を務める「梅沢武生劇団」で本格的に舞台に立つ。その後、20代半ばで舞踊ショーの女形が話題となり、一躍大衆演劇界のスターに。2012年、兄・武生から劇団を引き継ぎ、座長に。舞台では二枚目から三枚目、艶やかな女形まで幅広い役をこなし、脚本・演出・振付も手がける。そのほか、テレビドラマや映画などにも俳優として多数出演。
梅沢富美男
「下町の玉三郎」とも呼ばれ、梅沢富美男の代名詞ともいえる女形。普段の強面からは想像もつかないほど、妖艶な美しさを 醸し出すその姿が生まれるきっかけとなったのは、富美男が役者として伸び悩んでいた26歳の頃。「お前、女形をやってみないか?」という兄・武生からの提案がきっかけであった。突然の話にさっぱり理解できなかったが、座長の命令には背くことができない。仕方なく、「女性の観察・研究」を始めた。銭湯から出てくる湯上がりの女性を観察している時に不審者と間違われて警察に連行されたのは有名な話。さらに、母・龍千代から、色香漂う舞や仕草を徹底的に叩き込まれたという。メイクによる変貌ぶりだけでなく、立ち振る舞いや所作の美しさこそが、梅沢富美男演じる女形の真髄といえる。
梅沢富美男
大衆演劇のスターとなった梅沢富美男が歌の世界に飛び込んだのは、1982年のこと。小椋佳作詞・作曲による『夢芝居』が、大ヒット。3万枚売れればヒット曲といわれた時代にあって、48万枚のセールスを記録。1983年には同曲で『第34回紅白歌合戦』に出場し、一躍歌謡界のトップスターの仲間入りを果たす。その低音ボイスは、艶やかな女形姿とは一転、男の色香を発する。2012年にリリースされたNHK東日本大震災復興応援ソング『花は咲く』(花は咲くプロジェクト)にボーカルとして参加。
梅沢富美男
近年、テレビのバラエティ番組やワイドショーのコメンテーターとしても活躍。歯に衣着せぬ毒舌トークと曲がった事を嫌う 頑固オヤジキャラクターは、すっかりお茶の間にも定着。義理人情を大事にする一本気な性格が、ときに行き過ぎてしまうこともあり、ネットで炎上することもしばしば…。
梅沢富美男
芸能人の中でも、料理の腕は折紙付き。若いころに劇団の料理番を務め、寿司屋で修行したこともある。テレビなどで料理を披露するようになり、その腕前が話題に。テレビ朝日『愛のエプロン』のグランドチャンピオン決定戦では優勝を果たす。和食から洋食、中華、イタリアンまで、あらゆる料理のレシピが頭に入っており、ある材料だけを使って手早く料理するのも大の得意。地方公演などで時間ができると、気になったお店に飛び込み、板前やシェフに食材・作り方を取材し、料理レパートリーを増やしているという。