大衆演劇大衆演劇

歌舞伎とどこが違うの ?

歌舞伎とどこが違うの ?

伝統・格式に縛られず、
“娯楽性”をとことん追求

日本の伝統的な芝居といえば、真っ先に「歌舞伎」を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
大衆演劇は、ある意味、歌舞伎から派生したものといえます。源流を同じくしながらも、より庶民のための娯楽へと発展していったものが「大衆演劇」なのです。

日本の芝居は、安土桃山時代に出雲の阿国により演じられた歌舞伎がそもそもの始まり。
江戸時代、歌舞伎は人々に娯楽を提供する“大衆演劇”として盛んになっていきますが、明治に入って外国との付き合いが始まると、歌舞伎は日本文化を海外に紹介する“国劇”となり、伝統や格式が重んじられるようになりました。木戸銭(料金)も高くなってしまい、歌舞伎は大衆のものではなくなっていったのです。

そんな中、より安く、より面白く、大衆に娯楽を提供しようと生まれてきたのが、旅芝居いわゆるドサ回りの演劇集団。彼らは、高級化・専門化していく歌舞伎に対し、笑劇や人情劇、派手な立ち回りの剣劇など、わかりやすくて面白い芝居を演じ、全国各地でもてはやされました。「清水の次郎長」に代表される時代人情劇は、現在でも、大衆演劇の看板芸となっています。

また、昭和に入った頃から芝居の幕間のサービスとして始まったのが舞踊ショー・歌謡ショー。
こうした常に観客を飽きさせない“サービス精神”も、大衆演劇ならではの魅力といえます。

歌舞伎から派生した大衆演劇は、時代の変化に応じながら観客本意の娯楽を追求してきた、文字通り“大衆のための演劇”であり、日本の庶民のエンターテイメントを支えてきた貴重な文化の一つなのです。

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