梅沢さん、はじめまして。私は今大学4年なのですが、進路のことで悩んでいます。
周りはとっくに企業など内定していますが、私はまだ決まっていません。いくつか内定をもらったところはあるのですが断ってしまいました。普通に就職して、普通に結婚する・・・そんな光景が浮かんでしまうのです。
そうかといって、何かやりたいことがあるのかというと特にありません。やりたいことも決まっていないのに適当に会社に入ってしまうと、今度はその忙しさに自分が流されてしまいそうな気がして心が決まらないのです。大学も、何かやりたいことを見つけたくて入ったのですが結局何も見つかりませんでした。
やはり、きちんとやりたいことを見つけてから就職するべきだと思いますか?
あのねぇ、シーッ。
人生ってなぁね。
普通に生きていくってことが大変難しいんだよ、うん。
梅沢さんだってね、お前さんみたいに大学に行けたんだったら役者になってなかったよ。
うん。
だって梅沢さん、中学しか出てないんだよ。
梅沢さんは1950年、昭和25年生まれなんだ。梅沢さんの時代は中学出てんのが大体60%。
うん、チッ。
中学卒業したら働けって時代だったんだよ。
で、お金持ちが高校とか大学とか行けたんだと思うんだよなぁ。
で、貧乏人はみんな中学出て働いたんだ。
頑張って働いて、仕送りして中にはガッツにある人はそこからのし上がっていって社長になったんだよ。
そういう時代だったんだよね。
昔は学力なんか関係なくて、ちゃんと企業に必要な人間が出世するってことになってたけどね。
お前さん、今の時代だからさ。
ン?
せっかく大学4年に進んでさ、就職が決まったんだったら働いたら?
だってお父さん、お母さんのことも考えてみない?
お前さん、大学に4年間行かせるったら大変な値段だよ、お前さん。
子供作ったら分かるよ、うん。
だったら、これから働いて自分の人生摑んでいったら?
学歴つけて就職する。
これ当然のルールだろう、ン?
それでお前さんが働いて、その中で何か自分の中の合っているものを見つけたらどうなの?
ねっ?
「普通に就職して、普通に結婚する・・・」
って、人生なんてそんなにうまくいくわけねぇよ。そうだろう?
就職したってお前さんに能力なかったらクビになるよ。
それから、結婚するんだったら男がいなかったら結婚できねぇだろう?
わかりゃしねぇだろう、人生なんて!
今、決められるものから走って行かなきゃ。
内定してんだったらありがてぇ話じゃねぇか?
みんな就職難だ、就職難だってギャーギャー騒いでんだから。
えっ?
やりてぇことがあるんだったら、初めから就職なんかしねぇよ。
そうだろう?
ただ優柔不断になってるだけだよ。
駄目だ。
ちゃんと就職してそれからだよ、ん?
まず働くっていうことを大事にしないと、ねっ?
22歳、これから花盛りだよ。
頑張ってやりな、ねっ。
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梅沢富美男
1950年11月9日生まれ。福島県福島市出身。「梅沢富美男劇団」座長。大衆演劇隆盛期に活躍した花形役者の父・梅沢清と娘歌舞伎出身の母・竹沢龍千代の5男(8人兄弟の5男)として誕生。1歳7ヶ月で初舞台を踏み、15歳から兄・武生が座長を務める「梅沢武生劇団」で本格的に舞台に立つ。その後、20代半ばで舞踊ショーの女形が話題となり、一躍大衆演劇界のスターに。2012年、兄・武生から劇団を引き継ぎ、座長に。舞台では二枚目から三枚目、艶やかな女形まで幅広い役をこなし、脚本・演出・振付も手がける。そのほか、テレビドラマや映画などにも俳優として多数出演。
梅沢富美男
「下町の玉三郎」とも呼ばれ、梅沢富美男の代名詞ともいえる女形。普段の強面からは想像もつかないほど、妖艶な美しさを 醸し出すその姿が生まれるきっかけとなったのは、富美男が役者として伸び悩んでいた26歳の頃。「お前、女形をやってみないか?」という兄・武生からの提案がきっかけであった。突然の話にさっぱり理解できなかったが、座長の命令には背くことができない。仕方なく、「女性の観察・研究」を始めた。銭湯から出てくる湯上がりの女性を観察している時に不審者と間違われて警察に連行されたのは有名な話。さらに、母・龍千代から、色香漂う舞や仕草を徹底的に叩き込まれたという。メイクによる変貌ぶりだけでなく、立ち振る舞いや所作の美しさこそが、梅沢富美男演じる女形の真髄といえる。
梅沢富美男
大衆演劇のスターとなった梅沢富美男が歌の世界に飛び込んだのは、1982年のこと。小椋佳作詞・作曲による『夢芝居』が、大ヒット。3万枚売れればヒット曲といわれた時代にあって、48万枚のセールスを記録。1983年には同曲で『第34回紅白歌合戦』に出場し、一躍歌謡界のトップスターの仲間入りを果たす。その低音ボイスは、艶やかな女形姿とは一転、男の色香を発する。2012年にリリースされたNHK東日本大震災復興応援ソング『花は咲く』(花は咲くプロジェクト)にボーカルとして参加。
梅沢富美男
近年、テレビのバラエティ番組やワイドショーのコメンテーターとしても活躍。歯に衣着せぬ毒舌トークと曲がった事を嫌う 頑固オヤジキャラクターは、すっかりお茶の間にも定着。義理人情を大事にする一本気な性格が、ときに行き過ぎてしまうこともあり、ネットで炎上することもしばしば…。
梅沢富美男
芸能人の中でも、料理の腕は折紙付き。若いころに劇団の料理番を務め、寿司屋で修行したこともある。テレビなどで料理を披露するようになり、その腕前が話題に。テレビ朝日『愛のエプロン』のグランドチャンピオン決定戦では優勝を果たす。和食から洋食、中華、イタリアンまで、あらゆる料理のレシピが頭に入っており、ある材料だけを使って手早く料理するのも大の得意。地方公演などで時間ができると、気になったお店に飛び込み、板前やシェフに食材・作り方を取材し、料理レパートリーを増やしているという。