愛の喝愛の喝

『Vol.26 親孝行に限界を感じる』

2013.06.17 公開

『Vol.26 親孝行に限界を感じる』

2013.06.17 公開
相談者 三人娘の次女(女性・37歳)

両親に親孝行したいけれど、限界を感じています。私の両親は、ずっと自営業(商売)を営み、朝暗い内から夜まで仕事を三つも掛け持ちで働き詰めでした。子供三人を贅沢はなかったけど、好きな者をたらふく食べさせてくれて、のびのびと育ててくれました。現在はそれぞれ子供は家庭を持っています。

問題は、父で、家族よりも赤の他人を信じやすい父のせいで、人に騙されて全てを失い、今は団地で細々と生活を切り詰めて生活しています。年上の母の言うことを素直に聞いていれば、家の二つくらい建てて今頃は普通に働かなくとも生活ができていただろうに。母の言うことには全て反発して、他人を信じて振り回された父が時々、許せなくなります。

自業自得の父は70歳で雇われてアルバイトをしています。母はやっと専業主婦になりました。年金もなくて娘から見れば惨めな老後です。そんな両親に、一年に一度温泉へ招待して、ゆっくりしてもらうことくらいしか出来ません。

時々、母にはお小遣い程度をこっそり渡すしかできないのに、母はとても申し訳なさそうに、娘の私に感謝してくれます。私たち娘は、若い頃は好き放題して家の仕事も母の家事の手伝いもしないで、勝手な悪い子供たちでした。よくも投げ出さずに育ててくれたと今は感謝の気持ちです。本当だったら、もっと沢山稼げて楽をさせて挙げられたらいいのですが、たいした稼ぎもありません。親が生きているうちに親孝行をと言いますが、どうしたらいいのか、時々悲しくなります。

他人を今でも信じやすい、全くめげていない父親には頭にきますが、まぁ、寝たきりにもならず、なんとか働けているから感謝しなくてはと思います。支離滅裂で申し訳ありませんが、よろしくお願いします。

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<音声は返答の一部をアップしています>

読ましてもらいましたけどねー、うん、ご相談。でもー、父親のことをそんなにきつく思ってもしょうがねえんじゃねえかなー。

だってそうでしょう。お前さんも大きくしてもらったわけだからねえ?うん。

「あんまり辛い思いもせずに、好き勝手なことさしてもらって大きくなりました」

って、あるからね。それだけでも感謝しなきゃいかんのじゃないかなあ・・・いやねぇ、梅沢さんは、自分のねぇ過去のこと言うのあんまり好きじゃねぇんだけどさー、ちょっと言わせてもらうとさぁ・・・うち、すっげえ貧乏だったんだよ、うん。三度のメシなんて食ったことなかったなー。

で、東北弁ですえた飯ってんだけどね、まぁ古くなった飯。うん、もうちょっと糸ひいたような飯・・・そんなの食ってたなー。

で、そのー。教科書もねえんだよ、もう破れちゃって。兄貴からのおさがりつかってるからどんどんボロボロになってさぁ。もう来る頃には、ページも破けて無くなってさ。だから本も買えなかった、鉛筆も買えなかったんだなぁ・・・

何故かっていうと、梅沢さんが学生時代の時は、テレビとか映画が凄いブームでね、実演って舞台のお仕事がへこんじゃってる時代だったのね。だから、収入がドーンと減っちゃって親は大変だったと思うよぉ。8人だからね子供、うーん大変だったと思う。

「しぃー、なーんでこんなに貧乏しなきゃいけないのかなー」って、親を恨んだ時もあったけどね。大きくなったら分かった!大変だったんだよ子供育てるってのは。

だから、しぃーオレー。三人娘の次女!大したもんだと思うよ。お母さんに時々お小遣い持っていって、いやそれだけでも十分だよ!親孝行ってさぁ、しぃー、芝居のセリフにあるんだけど、

「親孝行したいときには親はなし」

ってねぇ。といって、親孝行なんてのは、し足りないもんさ。どれをして親孝行なんだろ、これをして親孝行なんだろって分かんないもん、ねえ。だってそうでしょ。寝てるところに、「お母ちゃん風邪惹いちゃいかんから」って、お布団かけてやる。これも親孝行だろうし・・・たまに行って「母ちゃん何か食いたいもんあるかい?」って、飯食わしてやる。これも親孝行だろ、うん。

でもね、お前さんがこうやってたまにお母さんにお小遣い渡す。いいんじゃねえかな、うん。

で、お父さんは、そうやって人に騙されながらもさ、え?一所懸命お前さんたち育てたんだから、それだけを感謝してね、うん。

お父さんだって分かるよ、自分で失敗したって思ってるんじゃないの?そこで追い打ちかけて、お前さんたちが言うとさ、ちょっと気持ちもめげちゃうだろうから・・・まぁ、おとっつぁんのことは、おとっつぁんのこととして。うん、チッ。

親がいるから今のアンタがあるんだから。

だから一生懸命親孝行してやってちょうだいよ、うん。

とってもいい話だったね。

梅沢富美男
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